目次
介護福祉士試験の受験を考えていて、
「介護福祉士試験に実技はあるの?」「実技試験の対策をしなくても大丈夫?」
こうした疑問や不安をお持ちではありませんか?
この記事では、介護福祉士の実技試験の有無や制度の変化について、公的な資料をもとに解説します。
さらに、介護福祉士試験の受験資格や合格のポイントも紹介しますので、介護福祉士を目指している方はぜひ参考にしてください。
介護福祉士国家試験の実技試験は今どうなっている?

結論からいうと、介護福祉士国家試験の実技試験は、令和6年度の第37回試験から廃止となりました。
“厚生労働省では、平成25年度及び令和元年度の各検討会において、『実技試験は廃止することが適当』との提言がなされたことを踏まえ、(中略)将来的な実技試験廃止に向けた準備を進めてきた。(中略)令和6年度から介護福祉士試験の実技試験は実施しないこととなる。”
引用:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター|令和6年度 事業計画 1.国家試験及び登録事業
実技試験の廃止により、第37回以降の介護福祉士試験は筆記試験のみとなりました。
また、令和7年度の第38回試験からは、パート合格(合格パートの受験免除)が導入されました。
これは、試験科目をA・B・Cの3つのパートに分けて、1つのパートごとに合否判定を行う制度です。総得点で不合格だったとしても、合格基準に達していたパートがあれば、翌年・翌々年までの受験が免除されます。
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター|介護福祉士国家試験 パート合格(合格パートの受験免除)がスタートします!
なお、介護福祉士試験の制度は、専門性の向上や人材の確保を目指して、今後も変更される可能性があります。
受験を考えている方は、事前に最新の試験情報を確認して、ご自身の受験資格や合格基準などを確かめておくと安心です。
実技試験がなくなった理由と廃止時期
実技試験が廃止された主な理由に、「実技試験の受験者が少ないこと」「第35回試験以降、実技試験を受験する者が想定されなくなること」が挙げられます。
これまでも介護福祉士養成課程や実務者研修の修了者などは、一定の技能習得が担保されているという理由で、実技試験が免除されていました。
実技試験の対象者は、特例高校(福祉系高校)を卒業した人などに限られており、実際の受験者数は全体の1%以下にとどまっていたのです。
令和4年度の第35回試験以降は、受験資格の変更など制度上の理由により「特例高校を卒業後に実技試験を受験する人」も想定されなくなりました。実技試験の受験者は、さらに減少すると推測されたのです。
こうした状況を踏まえ、厚生労働省の「介護福祉士国家試験の在り方に関する検討会」は、実技試験を廃止することが適当であると提言し、実技試験は廃止の流れとなりました。
参考:介護福祉士国家試験の在り方に関する検討会|介護福祉士国家試験の今後の在り方について 3.実技試験の廃止について
今の介護福祉士国家試験と勉強のポイント

今の介護福祉士国家試験は、筆記試験の点数で合否が判定されます。令和7年度の第38回試験の出題形式や問題数、合格基準などは下記のとおりです。
| 出題形式 | 五肢択一を基本とする多肢選択形式 | |
|---|---|---|
| 出題数 | 全125問 | |
| 配点 | 1問1点 | |
| 試験時間 | 合計220分 | |
| 合格基準 | 以下、2つの条件を満たすこと①総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数(合格基準点)以上であること②合格基準点をクリアしたうえで、11試験科目群の全てで得点すること。 | |
| 11試験科目群の内容 | Aパート | 1.人間の尊厳と自立、介護の基本 2.社会の理解 3.人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術 4.生活支援技術 |
| Bパート | 5.こころとからだのしくみ 6.発達と老化の理解 7.認知症の理解 8.障害の理解 9.医療的ケア |
|
| Cパート | 10.介護過程 11.総合問題 |
|
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター|出題基準・合格基準
介護福祉士の筆記試験では、合格基準点を満たしても、11試験科目群のうち1つでも0点の科目があると不合格と判定されます。
基礎から応用まで幅広い知識・技能が問われる試験に確実に合格するためには、早めの準備と適切な学習計画が欠かせません。
【学習計画の例】
- • 出題範囲を把握する
- • 過去問や演習で実践力を養う
- • テキストで基礎知識を付ける
- • 振り返りで弱点を補強する
自分の苦手な分野を把握し重点的に対策することで、介護福祉士試験の合格率を高めていきましょう。
筆記試験の受験資格と申し込みの流れ
介護福祉士試験の受験資格は、主に3つのルートに分けられます。
| 受験資格の種類 | 内容 |
|---|---|
| ①実務経験ルート | 「実務者研修の修了」+「3年以上の実務経験(※1)」または「介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修の修了」+「3年以上の実務経験(※1)」 |
| ②養成施設ルート | 高校等卒業後、厚生労働大臣指定の介護福祉士養成施設や福祉系大学などを卒業。 |
| ③福祉系高校ルート(※2) | 福祉系高校にて、福祉に関する指定の教科目・単位数を修めて卒業または卒業見込み。 |
※1介護等の業務に従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上
※2特例高校を卒業した場合は9か月以上の実務経験が必要
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター|受験資格(資格取得ルート図)
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター|受験資格
なお、介護福祉士試験に申し込む際は、申し込み期間と試験実施日に注意しましょう。
介護福祉士試験は、毎年1月に実施されています。申し込み期間は試験前年の8月から9月の約1ヶ月間です。
令和8年度の第39回試験の予定は、次のとおりです。
試験日:令和9年1月下旬
申し込み期間:令和8年8月上旬から9月上旬
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター|介護福祉士国家試験 試験概要
続いて、介護福祉士試験の「申し込みから資格取得までの流れ」も確認しておきましょう。
- 1. 受験資格を満たして試験センターに申し込む
- 2.筆記試験に合格する
- 3. 試験センターに介護福祉士の登録申請をする
- 4.登録証の交付を受ける
登録証の交付を受けることで、介護福祉士として働けるようになります。
受験の際は、申し込み期間に合わせて、受験申込書や実務者研修修了証明書などの必要書類を用意しましょう。
未来ケアカレッジで学ぶメリット
平成28年度の第29回試験より、実務経験に加えて「実務者研修の修了」が必須となりました。仮に3年以上の実務経験があっても、実務者研修を修了していないと受験できません。
未来ケアカレッジでは、実務者研修を修了していない方を対象に実務者研修講座をご提供しています。
働きながらでも学びやすい多彩なコース設定や授業振替システム等で、受験者の皆さんが無理なく勉強を継続できるようにサポートしています。
さらに、介護福祉士試験の合格を目指す方向けに、「介護福祉士筆記試験対策講座」もご用意。対面で講義を受けられる「通学コース」と自宅で学習できる「WEB講座(ポイント解説動画・一問一答)」、「公開模試」、直前総まとめコース」から、ご自身に合った勉強スタイルをお選びいただけます。
受講生のお悩み対応や就職・転職のサポート体制も整えていますので、試験合格やキャリアアップを目指す方はぜひ未来ケアカレッジの受講をご検討ください。
▶介護福祉士試験対策講座(通学コース・WEB講座・公開模試・セット受講)
よくある質問

介護福祉士の実技試験でよくある質問・回答を4例紹介します。それぞれ確認して、試験に関する疑問を解消しましょう。
実技試験はいつからなくなった?
介護福祉士の実技試験は、令和6年度の第37回試験から廃止となりました。現在は、筆記試験に合格し登録簿に登録されることで、介護福祉士として働けます。
昔の実技試験はどんな内容?
介護福祉士の実技試験は、「介護福祉士に必要な知識・技能が備わっているか」を実際の作業を通じて判定する試験です。
受験時間は1人あたり5分以内で、合格基準は課題の総得点の60%程度です。受験者には、介護現場を想定した課題があたえられ、基本的な介助方法や対応力などによって合否が判定されました。
参考:厚生労働省|参考資料2 介護福祉士国家試験の概要について
たとえば、平成16年度の第17回試験では、以下のような課題が出題されました。
“山本かおるさん(75歳)は左上下肢に麻痺があり、移動や着衣には一部介助が必要です。
今日は、デイサービスに参加する日です。居間の床に座っている山本さんを、台を使って立ち上がらせてください。その際、台には座らせないでください。次に、杖歩行で段差を越え、玄関のいすに座り、上着を着用するまでを介助してください。
なお、上着のファスナーは、とめる必要はありません。山本さんは、「はい」または「うなずく」のみです。”
実務者研修はなぜ必要?
実務者研修は、介護人材の専門性や質を高める目的から、介護福祉士試験の受験要件の1つとされています。実技試験が実施されていた当時は、その免除要件にもなっていました。
実務者研修では、「認知症の理解」「生活支援技術」「コミュニケーション技術」などの専門知識、そして喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアも学びます。
これらは、介護福祉士として要介護者・要支援者に質の高い介護サービスを提供するために必要な内容です。専門知識・技術のある人材が受験するために、実務者研修の修了が受験資格に組み込まれたと考えられます。
国家試験の難易度は高い?
介護福祉士国家試験の難易度は、「しっかり対策すれば十分に合格できる」レベルといえます。
第33回から第37回までの試験合格率は、いずれも70~80%台です。過去10年(第28回から第37回まで)の平均合格率は約73.3%と、一般的な国家試験の合格率と比べて高い数値となっています。
参考:厚生労働省|介護福祉士国家試験の受験者・合格者・合格率の推移
自分に合った学習方法と無理のない学習計画を進めることで、忙しい方も十分に合格を狙えるでしょう。
まとめ

介護福祉士の実技試験は、令和6年度の第37回試験から廃止となりました。
現在の介護福祉士試験は筆記試験のみで実施されているため、筆記試験対策を効率よく進めることが合格の鍵となります。
未来ケアカレッジでは、実務者研修や筆記試験対策講座を開講し、介護福祉士試験制度に合わせた学習機会の提供、その他さまざまなサポートによって、試験合格を目指す皆さまを応援しています。
これから介護福祉士を目指す方は、ぜひ未来ケアカレッジの受講をご検討ください。


