目次
介護福祉士国家試験の受験を考えているなら「無資格だけど初任者研修を飛ばして実務者研修を受講できないかな?」と思う方も多いでしょう。
結論から言えば、無資格でも実務者研修は受講できます。
ただし、無資格で実務者研修を受講する際のデメリットも理解したうえで、受講すべきか慎重に判断する必要はあります。
そこで今回は、無資格で実務者研修を受講するメリット・デメリットはもちろん「無資格だと実務者研修の試験は難しいのか?」といった疑問にもお答えしていきます。
実務者研修は無資格でも受けられる?
冒頭でもお伝えしたように、実務者研修は無資格でも受講可能です。
介護の資格取得は初任者研修→実務者研修→介護福祉士とステップアップするのが一般的ですが、初任者研修を修了していなくても実務者研修は受講できます。
実務者研修とは?
実務者研修は正式名称を「介護福祉士実務者研修」といい、3年以上経験のある実務者が、介護福祉士国家試験を受講するために必要な研修です。
受講要件は特に定められていないので誰でも受講できます。
また無資格の場合、受講期間は半年以上、受講時間は450時間以上と設定されており、通学(昼間・夜間)と通信(一部通学)で受講できます。
実務者研修は働きながら受講する人が多く、大部分を自宅で学習できる通信での受講が主流です。
(参考:近畿厚生局「介護福祉士実務者研修に関するよくあるご質問Q&A」)
実務者研修は無資格・未経験でも受講できる!
実務者研修は3年以上の実務者に向けた研修ですが、「3年以上の実務経験が必要」という受講要件ではないので、無資格・未経験でも実務者研修は受講可能です。
ただし、実務者研修の学習内容は実務者を対象としているので、未経験では理解しにくい部分があるかもしれません。
無資格・未経験で実務者研修を受講する際のメリットとデメリットを理解して、本当に実務者研修から始めるのがベストなのかを判断しましょう。
実務者研修を無資格で受けるメリット
実務者研修を無資格で受ける際のメリットは2つあります。
- ・最短で介護福祉士を取得できる
- ・サービス提供責任者になれる
一つずつ詳しく説明していきます。
最短で介護福祉士を取得できる
初任者研修を受講せずに実務者研修を修了すれば、最短で介護福祉士国家試験を受験できることになります。
実は研修時間だけを比較すると、下記のようにどちらも半年程度の時間が必要ですが、申し込みやオリエンテーションといった手間を考えると、ひとつにまとめたほうがシンプルに受講できるというメリットがあります。
初任者研修 | 実務者研修 | |
初任者研修+実務者研修 | 約4ヶ月 | 約2ヶ月 |
実務者研修のみ | なし | 半年 |
(※働きながらの受講を想定した期間)
また、初任者研修と実務者研修、それぞれの修了試験を受けなければならないという精神的な負担が減るのも大きなメリットです。
サービス提供責任者になれる
サービス提供責任者の要件は、以下のいずれかの資格保有者とされています。
- ・介護福祉士
- ・介護職員実務者研修修了者
- ・旧介護職員基礎研修課程修了者
- ・旧訪問介護員養成研修1級課程修了者
(参照:大阪府「訪問介護 指定申請について」)
事業所の都合により、早くサービス提供責任者になりたい人は、初任者研修を飛ばして実務者研修を受講してもよいでしょう。
実務者研修を無資格で受けるデメリット
無資格で実務者研修を受ける際には以下のようなデメリットが存在します。
- ・実務者研修の受講期間が長くなる
- ・全くの未経験だと難しいと感じる可能性も
一つずつ説明していきます。
実務者研修の受講期間が長くなる
無資格で実務者研修を受講すると、初任者研修修了者よりも受講時間が長くなります。
実務者研修には保有資格による受講時間の免除があり、初任者研修修了者が320時間のところ、無資格者では450時間が必要です。
(参照:厚生労働省「実務者研修認定ガイドライン」)
無資格・未経験の状態では初任者研修修了者に比べて、実務経験者向けの学習を130時間も多く学ぶことになります。
急いで実務者研修を受ける理由が特にないのであれば、初任者研修から受講するのがベターです。
全くの未経験だと難しいと感じる可能性も
実務者研修は、初任者研修の内容が理解できている前提で講義が進行するため、介護の経験がない人には難しく感じる可能性があります。
また実務者研修は実務経験がある人を対象にしているので、初任者研修で学ぶような介護の基本的な知識や技術は学習内容に含まれないことにも注意が必要です。
例えば、実務者研修では排泄介助や食事介助のような基本的な介護技術は学習しません。
実務者研修では主に「利用者はどんな思いを抱いていて、介護者はどのように関わるべきか?」といった内容を学習します。
介護技術は全て習得している前提で一歩踏み込んだ学習になるため、全くの未経験ではイメージができず、学習内容を理解できない恐れがあります。
一方、初任者研修は無資格・未経験の人を対象とした学習内容なので、排泄介助やシーツ交換、食事介助の実践といった介護の基本から学べます。
介護についてしっかり学びたいと考えているなら、無理をせず初任者研修から受講しましょう。
無資格者に実務者研修の試験は難しい?
実務者研修は介護福祉士国家試験の実技試験も兼ねているため、初任者研修と違い、修了試験があります。
無資格で実務者研修を受講した際に、試験に合格できるのか心配な人も多いでしょう。
結論から言うと、実務経験があれば無資格でも実務者研修の試験は難しくありません。
実務経験があれば問題なし
実務者研修の修了試験は筆記と実技に分かれていますが、筆記試験はレポートの提出で済むため、難易度は高くありません。
実技試験では正しい介護技術はもちろん、利用者の思いを汲んだ適切な介護ができているか、といったポイントも総合的に評価されます。
無資格でも実務経験が豊富なら、介護技術も身に付いているでしょうし利用者との接し方も理解できているはずですので、きちんと学習すれば合格できます。
全くの未経験者は初任者研修からがベスト
未経験者は、そもそも実務者研修の学習を理解するのが大変ですし、介護技術の基本から学べる初任者研修を受講するのがベストです。
初任者研修で介護の基本を学び、実務経験を積んでから実務者研修を受講すると、理解も深まります。
特に理由がないのであれば、無理をせず初任者研修から始めましょう。
明確な目的があるなら無資格でも実務者研修を受講しましょう!
無資格で実務者研修を受講する際は、明確な目的を持ちましょう。
- ・介護福祉士国家試験を受験したい
- ・早くサービス提供責任者になりたい
- ・初任者研修の費用を節約したい
これらのような目的と実務経験があるなら、無資格でも実務者研修を受講しましょう。
未経験者は無理をせず初任者研修から受講するのがベストですが、どうしても実務者研修から受講したいのであれば、周りの実務経験がある受講者や講師にサポートしてもらいましょう。
未来ケアカレッジの実務者研修なら、講師やスタッフが懇切丁寧にサポートしますので、無資格で実務者研修を受講する際には相談してみてください。
未来ケアカレッジ実務者研修のカリキュラムは「実務者研修の受講内容」ページにまとめています。
まずは未来ケアカレッジで無料の資料請求から始めてみましょう。